DADA NUTS BUTTERの調味料「オリエンタルナッツ醬シリーズ」の第二弾。
オリエンタルナッツ醬シリーズは、”旅する醬”です。
旅というのは、『各国のナッツを使った調味料が国を超えて日本にきたらどうなるのか』というテーマと、
『旅の中で出会った食材を使う』という2つの旅を意味しています。

ODDアジカはコーカサス地方の国、ジョージアの唐辛子やクルミ、ハーブなどで作る調味料「アジカ」をアレンジした辛味調味料です。
そこへ東北在来のあんず「八助梅」を昔ながらの梅干しの要領で漬けたものを使用しています。
まさにそれが今回の旅の中で出会った食材。
以前田村種農場の田村和大さんの畑を訪問した際に、こんなものがある、と八助梅を紹介してくださったのがきっかけです。

田村さんは岩手県盛岡市で岩手の在来作物を主に作付けし、生産と販売を行う農家さん。
震災をきっかけに農家になるため岩手に戻ったそうです。
そこで電気やガスのない被災地で昔ながらの方法で逞しく生活していたおばあさんを見て、
現代社会において農家としては自然から種をいただいてそれを蒔くことを毎年する、ということしかできないと思い自家採取を行う農業をすることに決めたとのこと。

田村さんは自ら朝市などをまわって集めた岩手の在来野菜を多く育ており、その知識も豊富。
10年ほどかけて集めて現在、田村さんの育てる岩手の在来野菜は約17種類だそう。
今までの10年間で自分の元に来た種をこれからの10年はしっかり作り込んでいけるようにしなければならないと話す田村さんの覚悟と情熱には胸が熱くなります。

ご自身でも八助梅を育ててらっしゃり、先日その畑を訪問させて頂きました。

3年目の八助梅
これから蒔く八助梅の種

八助梅の木は現在3年目。
実った八助梅から種を採取し、そこから苗を育てる段階に来ているそう。
田村さんが種から育てた八助梅の梅干しを使える日が今から楽しみ!

南部町まで八助梅の源流を辿り、御神木と二代目の八助梅の木にもご挨拶

ジョージアの調味料に梅干しが入るというのは一見不思議ですが、意外にも深いつながりがあります。
実はジョージアは梅や杏子と同じバラ科サクラ属の果樹の原産地。
プラムの取れる時期には、一年分のプラムソースを各家庭で作るそうで、その中には梅に近いプラムもあるとのこと。

手前の瓶に入っているのがトマケリ。(Photo by BAN)

そのプラムソースはトマケリと呼ばれ、ジョージア料理には欠かせない調味料だとか。
それを知ると、ODDアジカに八助梅が入ることはなんだかとってもしっくりきます。

しかし八助梅は現在、より作りやすい品種へ移行する農家さんも多く、東北でも作り手が減少し、年々数も少なくなっているそうです。
もともと八助梅は江戸時代から継がれてきた品種。
もちろんそれで作る梅干しにしか出せない味があり、それは他では替えがきかないもの。
それぞれの個性を楽しみ未来へ繋いでいくためにも、ODDアジカを通して八助梅の存在を知っていただけたらと思います。

ODDアジカは進化していく醬でもあるので今後の展開もお楽しみに!