世界のどこでも同じですが、在来種の作物は手間がかかり、揃いが悪いなどという理由から、大量生産が求められる時代において生産が減少していました。
しかし、そういった作物にはちゃんとその土地にそれが在る理由や、そこに付属した地域の人々の思いやストーリー、そして味にもそれぞれ個性があります。
私たちはその多様性を大切にしたいと思い、ナッツの在来シリーズをスタートすることにしました。
そして多くはないですが、実は知らない人が多い日本の在来ナッツ。
収穫量も多くなく、旬の時期しか生産できない季節限定になるものもあるかも知れませんが、そういったものを少しずつ掘り下げていき、ミラクルパンなナッツバターを作ります。
その第一弾は高知県の在来種 “唐人豆”というピーナッツ*です。“唐人豆”とは、明治以降に導入された商業栽培のピーナッツではなく、高知県宿毛市の沖ノ島で江戸時代から何百年もの間代々受け継がれてきた種とされています。
植物博士・牧野富太郎氏の弟子、武田功さんが種子の保存をしてきた約50種の高知伝統作物「牧野野菜」のひとつでもあります。

特徴としては、
・粒がとても大きい
・味は濃厚で美味しい
・株が大きく、収穫が自動化できず、現在はすべて人力。
2019年、高知市のグロリオサ農家の中島義幸さんが唐人豆の栽培を本格的にスタートしました。
DADA NUTS BUTTERはその収穫から携わらせていただいています。

収穫後の乾燥させた唐人豆の殻割りは、一つ一つ手作業。
イベントとして、参加者の方々と一緒に殻割りをしたり、唐人豆を使った昼食を食べたりと少しずつ地域の方々にも認知していただけるよう取り組んでいます。



殻割り後は手作業で豆の選別をし、焙煎。
焙煎後は渋皮を外し、ナッツバターにしていきます。
唐人豆バターの原料は、唐人豆と塩のみ。
中島さんが美味しい唐人豆を作ってくれていても、この作業次第で味が変わってしまいます。



100年以上もの歴史が濃縮された濃厚な唐人豆の味。
それをそのまま皆さまに楽しんでいただけるよう、これからも丁寧にナッツバターを作っていきます。
*ピーナッツは正確には豆類ですが、ナッツバターの一つに分類します。