DADA NUTS BUTTERの「旅」をテーマにした調味料シリーズ「オリエンタルナッツ醬」。
最近は「旅」を商品作りのテーマにするブランドは珍しくないですね。
少し前より旅はしやすくなったし、インターネットやSNSを通して、行ったことのない土地の景色や食文化にも簡単に触れられるようになことも大きいはず。
そんな今だからこそ今回、改めて、オリエンタルナッツ醬開発の料理人 船山義規さんと、
「自分たちの考える旅は何なのか!」について話してみました。
話をする中で見えてきたのは、私たちが大切にしているのは旅の行き先ではなく、「プロセス」だということ。
単なる再現ではなく、食文化が文明や交易、人の移動によってどのように変化し、受け継がれてきたのか。
その流れをたどりながら、自身のフィルターを通して新しい形に編集する。
オリエンタルナッツ醬シリーズは、食文化のルーツをたどる旅であると同時に、日本各地に残る素材や生産者に光を当てるプロジェクトでもあります。
これから、全3回に渡り、それぞれの調味料がどんな旅(そして妄想!)から生まれたのか、そしてその旅をどのように味へ落とし込んだのかをご紹介します。
これを読めば、オリエンタルナッツ醬がもっと面白くなる!はず!
「その醬は、アーモンドの起源の地と言われる西南アジアから
シルクロードを通り、様々な国や島を旅して最終地点の高知で完成した。アーモンドに宗田鰹の節、干し海老、ココナッツなど、
zine 「醬本」より
通過してきた国々と高知のエッセンスが混じりあった旅する醬は、
「ODD鮮仁醬」と名付けられた。」

■ 01 | 旅の着想
ODD鮮仁醬は、
「もし一つのソースが、人々とともにシルクロードの旅を続けたらどうなるだろう?」
という妄想から生まれました。
土地に根付いた文化や、異なる民族の文化が交わって生まれたものに、なぜか惹かれてしまう!
なぜかを考えると、それはきっと今のかたちになるまでの時間の流れや、どこの誰かも知らない人の営みに、想いを馳せられるからだと思います。
料理人の船山さんもまた、そうした食文化の変化や混ざり合いに興味を持ち続けてきました。
人が移動すれば、食文化も移動する。
土地が変われば、素材も、好みも変わっていく。
そうして同じものが少しずつ姿を変え、新しいものになっていく。
そんな当たり前のようで意外と意識していない、食文化の面白さを調味料で表現できないだろうか?
そう考えた時、自然とテーマになったのがシルクロードでした。
シルクロードは、人や文化、技術が行き交いながら広がっていった途方もなく壮大な交易ルート。
とはいえ、昔、世界史の授業で聞いたきり!
実際にどんな道だったのか、想像したり、想いを馳せたりしたことがある人は少ないかもしれません。
私もその一人だったと思います。
■ 02 | 旅のイメージをどう味に落とし込んだのか
故郷を離れ、新しい地へ向かう時、
携帯食としてナッツを袋に詰めて持ってきた。
この先出会うであろう、未知の人や土地の味。
持ってきたものに、新しく出会ったものが少しずつ加わっていく。
そうして、旅人の味もまた変わっていく。
味の記憶は、人とともに旅をする。
この旅を、どうやって実際の味にしていったのか?
まずはルートを調べることから始まります。
これが船山さんの商品開発のユニークなところで、物語から味作りをしていきます。
実際にその土地に根付く食文化や歴史を資料をもとに、一つひとつ掘り下げていく。
そうして見えてきた史実の上に、「もしこのソースが人々とともに旅をしていたら、その土地で何をまとっていくだろう?」という妄想を重ねながら、素材を組み立てていきました。
〈ODD鮮仁醬の妄想旅ルート〉
中東 → 中国西南部 → 東南アジア → 福建省 → 高知
中東
旅の始まりは、アーモンドの故郷とも言われる中東。
故郷を追われ、この地に流れ着いた人々がいました。
ナッツ使いを得意とするチェルケス人の食文化が根付く土地から着想を得て、まずはアーモンドを。
ここから旅は始まります。
中国西南部
山を追われ、山を渡り歩いてきた、その足跡をたどるように。
東へ向かった先、山間地域には多彩な「喃咪(ナンミー)」— 現地の言葉で”醬”を意味する 調
味文化があります。
ここで、ナッツと「醬をつくる文化」が出会います。
ソースは土地の香辛料と出会い、新たな姿へと変化します。
東南アジア
南下した先で出会うのは、中国系移民と現地文化が混ざり合って生まれたニョニャの食文化。
ココナッツを巧みに使う彼らの料理から、醬は甘く豊かな香りをまといます。
福建省
そして海を渡り、中国福建省へ。
海上交易で栄えたこの土地では、魚介の旨味を活かす文化が発達していました。
醬はここで、干し海老などの魚介の旨味をまといます。
高知
そして最後に、海を越えて日本、高知へ。
ここで出会った土佐のはちきん(土佐弁で快活で男勝りな女性!)。
彼女らの手によって宗田節とジャコが加えられます。
通過してきた土地の食文化が、少しずつ混じり合いながら、ODD鮮仁醬は生まれました。
■ 03 | 日本の素材と作り手
旅の最後に登場した、宗田節とジャコ。
ここからは、それぞれの作り手について少し詳しくご紹介します。
ODD鮮仁醬で使わせていただいたのは、高知で昔から作られてきた魚の加工品。
土佐清水で100年以上続く「新谷商店」さんの宗田節と、
赤岡の「三浦屋海産」さんの天日干しのジャコです。

新谷商店さんは、土佐清水沖で一本釣りされた寒メヂカのみを厳選し、
1921年の創業当時から変わらず、職人さんが一つひとつ手づくりしています。
ODD鮮仁醬の中で宗田節は、出汁のような深い旨味の土台を担っています。

三浦屋海産さんは、県内有数の老舗で現在10代目。
毎日その日に揚がったしらすを直ちに水洗いし、釜ゆでにして、昔ながらの手法で天日干しし、ちりめんじゃこを作っています。
ODD鮮仁醬には、それを素揚げにして砕いて使用。
香ばしくザクっとした食感と、噛むほどに広がる旨味を加えています。
宗田節は、食生活の変化などから従来の需要が減りつつあり、
おじゃこもまた、近年は原料となるシラスの漁獲が不安定になるなど、作り手を取り巻く環境は変化しています。
そんな中でも、昔ながらの製法や、その土地ならではのつくり方を大切にしている作り手さんがいます。
こうした素材を単に「昔ながらのもの」として残すのではなく、新しい形で食卓へ届けられないか。
そんな思いもオリエンタルナッツ醬シリーズの根っこにはあります。
世界の食文化を旅するような視点を借りつつ、日本各地に残る素材や生産者の魅力を、私たちなりに改めて編集し直す試みでもあります。
■ 04 |開発者おすすめの楽しみ方
ODD鮮仁醬は、あえて塩味を強く出さない設計にしています。
宗田節や干し海老など、素材そのものに強い旨味があるからこそ、塩味で味を決めすぎず、ナッツのコクと魚介の旨味を軸にしました。
料理に合わせて味を足したり、別の調味料と組み合わせたりできる「余白」を残したかったからです。
炒め物や煮込みに入れれば、素材と一緒に火が入ることで旨味がじんわり広がり、
醤油やマヨネーズなど、お好みの調味料と合わせれば、味変ソースとしても活躍します。
料理を完成させる一手ではなく、その日の気分や料理に合わせて、自由にアレンジできる余白がポイントです。
まずは、いつもの野菜炒めにひとさじ。
そんな使い方から、試してみてください。
ちなみに、ODD鮮仁醬を軸にした合わせ調味料のアレンジもたくさんあります。
気になる方はこちらもチェックしてみてください。→ [世界!胃袋周遊チャート]
